私は現在循環器病棟の看護師として働いています。
心不全は、心臓の働く力だけではなく弁膜症や動脈硬化、体液量や腎機能、貧血、感染など様々な要因がきっかけとなり発症する病気であり、病態の理解には血液検査やレントゲンやCTなどの放射線画像など種々の検査の理解も必要です。
特に弁膜症や心臓の収縮拡張能の評価においては静止画の放射線画像では不可能であり、そこを評価できるのが心エコーです。また、エコーの検査は侵襲を伴わずに多くの情報をとることができるという点で優れています。
看護師は、医師の指示のもと採血などの検査を行いますが、エコー検査は侵襲を伴わないためアセスメントツールのように使いやすいと思います。今後、超高齢社会となり2030年には心不全罹患者数は130万人に達すると推計されています。さらには、在宅医療の場面でも心不全に対するニーズは高まってくるものと思われます。在宅医療のシーンでの訪問看護師がポケットエコーを携行し、心不全増悪の兆候を早期に察知することができれば早期治療につなげることができると考えています。
心不全は体液量の管理が重要です。病棟で心不全の患者さんの尿量が減少した際に、その原因は心不全の増悪なのか、低心拍出量(LOS)なのか判断し対応しなければなりません。その対応は体液量を増やすか減らすか180度変わって来ます。
医師も日中は外来やカテーテル手術などで多忙であり、すぐには現場対応できないこともあります。その際に治療に繋げられる詳細な報告を医師に行い、指示をもらうことができれば患者さんの苦痛も速やかにとることができるのではないかと考えます。